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ROMANIA~PELICAN NOTE

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2004年 05月 07日

07May 歪んだ建物

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 ペリカンの夫は建築に関する仕事をしている。だからルーマニアに来て建物のことを色々意見する。これがまた面白い。ルーマニアは1989年に社会主義政権が崩壊するまで、あの「チャウセスク」がバンバン共産党住宅を建てていた。首都のブカレストや各地の小都市にはコンクリート剥き出しの共産党住宅が立ち並ぶ。ペリカンの住む街はコンスタンサという黒海沿岸の港町で、チャウセスクがかなり力を注いだ街だからその遺産が沢山残っている。

 その共産党住宅が街の概観を著しく損ねているのは確かだ。夫はもともとソフトな物言いをするほうではないので、ぼろくそに文句を垂れる。感情がこもっているので迫力満点だ。そして色々問題点を挙げる。「垂直・水平が取れていない」「窓やバルコニーが歪んでいる」「コンクリートの質が極めて悪い」云々である。
 
 確かによく観察してみると、団地の窓の位置が微妙にずれている。一階から屋上まですぅっとつながる垂直なラインがない。みんなそれぞれ微妙に歪んでいるので、どれが垂直のラインか分からなくなってしまう。観察しているとだんだん気分が悪くなってくる。
 
 ルーマニアで言う「設計図」と日本のそれとは随分隔たりがあるらしい。恐ろしくアバウトなのだそうだ。そういえば我が家もトイレのドアや各部屋のドアのサイズがまちまちだ。隣合う2つのドアでさえ大きさが全然違う。適当にブロックを積んで枠組みが出来たら、ドアや窓などはその枠の大きさを採寸してオーダーするらしい。オーダーして届いたドアも、1階のトイレ用、お風呂場用、2階の子ども部屋用となり、取り付ける時にまたサイズの誤差を切ったり足したりするようだ。道理で家を一軒建てるのに2年も3年もかかるわけだ。

 それでも最近は「規格サイズの窓」「規格サイズのドア」もだいぶ普及している。でも窓枠の大きさ自体にだいぶひずみがあるので、今はまだ企画サイズの窓が入らなかったり、小さすぎたりして苦労しているようだ。

by pelican6 | 2004-05-07 18:42 |


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